今月読んだ本
今月(2026-08)読んだ本は2冊。
Amazon.co.jp: 夏帆 The Tale of KAHO : 村上春樹: 本Amazon.co.jp: 夏帆 The Tale of KAHO : 村上春樹: 本amazon.co.jp
私は自らの人生から巧妙な復讐を受けているのかもしれない-然るべく設定された期限のようなものが巡ってきて、私の人生はその本来の取り分を、私からまとめて取り上げていこうとしているのかもしれない。まるで帳尻を合わせるみたいに一そう、貸方と借方だ。
夏帆がその頃住んでいたのは花畑という町だった。東京都足立区の北の端近くにあり、十分ばかり歩けば埼玉県との県境になる。もちろん県境といっても道路に線が引いてあるわけでもなく、柵みたいなものが立ててあるわけでもなく、川をひとつ越えると電柱に貼られた地番が変化するだけのことだ。
この花畑で図書館の司書バイトをしていたので笑ってしまった。よくこんなマイナー町を。見に来たんだろうか。
夏帆は時間を潰すためにホテルの中の売店を一通り見て回った。アーケイドには様々な業種の店が並んでいたが、彼女の興味を惹くものはひとつとして見当たらなかった。どうして世の中にはこのようにどう見ても不必要な、そしておおむねみっともないーとしか夏帆には思えなかったーものばかり存在しているのだろう?それとも私の価値基準の方がいびつにひねくれているのだろうか?
英雄は試練を必要とするものだ。古来そう決まっている。敷しい苦痛や、死とすれすれの難関、ときには死そのものを通過することによって、彼は(彼女は)浄化され、不動の英雄となる。英雄物語はすべてそのようにできている。それはそれでいい。きっとそういうものなのだろう。しかしながら私はどう考えたって英雄なんかじゃないし、またこの先英雄になろうというつもりもない。要するにそこが問題なのだ、と夏帆は思う。英雄になりたくもない人間が、というか英雄になれるはずもない人間が、ときとして厳しい試練だけを受けなくてはならないということが。
KPIは信号なので「1つ」。そして交差点に入る前に分かる必要があるので、「先行指標」であることが重要なのです。