今月読んだ本

今月(2023-01)読んだ本は7冊。

異常【アノマリー】 Kindle版

ミゼルは一見、うわの空でよそよそしい感じを与えることもあるが、”いろいろ抱えていながらもユーモアのある男”との評判をとっている。ただそもそも”ユーモアのある男”の呼び名にふさわしい人物は、”いろいろ抱えていながらも”ユーモアを失わないからこそ等の呼び名を頂戴するものではないか。
「それとコーヒーマシンもお願いします。エスプレッソが淹れられる、本格的なやつを」エイドリアンは付け加える。
「不可能な要求は控えてください」将軍は顔をしかめる。

そして誰もゆとらなくなった (文春e-book) Kindle版

朝井リョウエッセイ。やっぱり最強におもしろい!

「自分もそういう目で見られているのかも」とビビってしまうのである。これは、過去に他人に注いできた視線に今の自分が苦しめられるという、平成生まれの日本昔話なのだ。
余談だが、これまた自らの意志とは関係なく行った別の店で、コースで出てくる料理ごとに最も適切なお酒が提供される"ペアリング"というシステムに放り込まれたことがあり。私の場合"麦茶"で全問正解となるのだが

透明な膜を隔てながら 単行本 – 2022/8/17

彼岸花が咲く島の作者が書くエッセイ

現代日本語で、「ぬ」で終わる動詞は「死ぬ」しかない。「ぬ」の響きにこれほど合致する動詞は他にないのだ。しかも、日本語 「ぬ」は英語の「noo」とも異なる。「afternoon」や「noodle」 の「noo」を発音する時はに力を入れて丸くすぼめるが、日本語の「ぬ」は唇はそのままで、あくまで力を抜いた楽な状態 発音する。いかにも死とは力を抜き切った、この上なく楽な状態だ。

テスカトリポカ (角川書店単行本) Kindle版

「わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』とはどういう意味か、行って学びなさい。

目を真っ赤に腫らしたパブロは鳴咽し、鼻水を垂らしながら、その言葉を何度もくり返した。歩けない者が杖にすがりつくようにしてパドルをつかみ、まだ暗い水面を漕いでいた。
Written on January 31, 2023