今月読んだ本
今月(2021-04)読んだ本は6冊でした。
人間であるということは、たんなる生存を超えた何かを追い求めるということだ。食べるものや住む家と同じくらい、私たちには希望が必要なのだ。 そして、その希望が路上にはある。それは車の推進力が生む副産物だ。アメリカという国の大きさと同じだけ、大きなチャンスがあるという感覚だ。
苦しいときに知らない人の前で平静を装うのは、人間の性だ。それと同時に、ノマドの態度には何かそれ以上のものがある。私が目にしたのは、人間というものは人生最大の試練のときでさえ、もがき苦しみながらも同時に陽気でいることができる、ということだ。彼らが現実から目をそむけているという意味ではない。それは、逆境に直面した人間が発揮するべき能力 ー適応し、意味づけ、団結する能力の証明だと思う。
映画をやっているので読んだ。本が良いので映画も見に行った。どちらも良い。映画で付け足されたパートもよかった。
多くが二十代の彼らは、妻に寄生されることに、ことのほか険悪感を抱いているようだった。結婚して子供が産まれ、なし崩してきに家庭の中の仕事量が増えれば話は別だが、基本的にはそれなりのキャリアがあって給料の稼げる女性を妻にしたいと思っているらしい。はなから専業主婦願望をちらつかせるような無職の女は願い下げというわけだ。 中略 意識高い系の商社マンには、 「なんでもいいからバイトくらいはしたほうがいいんじゃないですか」とアドバイスまでされる始末。
みな妻という自分の立場に対する自負はことのほか強固であり、絶対的だった。アイデンティティのほとんどが、妻であり母であることで占められて、それは揺るぎない。結婚し家庭を持っているというだけで、人はここまで堂々とした様子になれるのかと華子は思うのだが、そういった微かな傲慢さを鋭く嗅ぎ分けてしまえるというということは、自分がまだそれを手にしていない何よりの証拠なのであった。
Written on April 30, 2021