東京に円を描くDraw a circle in Tokyo.
小学生のころポケモンレンジャーというゲームがあった。
普通のポケモンと違い、ポケモン成長要素はないんだけれど、ポケモンの力を借り、災害などで困っている人達を助ける。
モンスターボールではなくキャプチャーという機械を使う。キャプチャーできたポケモンは後ろについて来てかわいい。
「キャプチャ」とは、野生のポケモンと気持ちを通わせ、自然を思う気持ちを伝えること。この気持ちを感じ取った野生のポケモンは、レンジャーと行動をともにし、一度だけその力をレンジャーに貸してくれる。この「キャプチャ」をマスターすることが、「ポケモンレンジャー」攻略の重要なポイントなのだ!
そんな風に僕たちは東京に円を描く。
東京を移動する時、はからずも円を描く時が多い。東京の特性だと思う。
ぐるっと歩いたぶんだけ東京をちょっと知ることができる。
たぶん僕たちはずっと東京に円を描き続けるのだろう。
僕たちは完全に東京を手中に収めることはできない。都市は進化するし、僕たちは視野が狭くなってゆく。
あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。
でも、円を描くことはできる、この気持ちを感じ取った都市は、レンジャーと行動をともにし、一度だけその力をレンジャーに貸してくれる。
東京を、友人と、イヤフォンから流れる音楽と、
歩いて、自転車に乗って、バスに乗って、水上バスに乗って
キャプチャーする。
おもしろいものを目にする。
そして、現実と非現実の境目を埋めるのだ。
Written on December 28, 2017